「歯科疾患実態調査」という厚生労働省が行う統計調査があります。
昭和32年から日本人の口腔の健康について調査しているもので、現在は5年の周期で調査を行なっています。
この調査の結果を見ると、日本人全体としてのお口の健康がどうなっているのか、その傾向が分かるので、海外と比較する際によく使われるデータです。
つい最近、平成28年の調査の結果が出ました。
上のグラフは、各年代で20本以上歯が残っている人の割合を示したものです。
平成5年から比較すると、20本以上歯が残っている人の割合は年々増えていることが分かります。
平成11年のデータでは、80歳で20本以上歯が残っている人の割合は15%でしたが、平成28にはその割合が51.2%となりました。
残っている歯が全て健康という訳ではないと思いますが、少なくとも本数としては、以前に比べて徐々に良くなっていると考えられます。
上のグラフは、歯をみがく頻度を表したものです。
歯をみがく頻度が1日1回以下の人は徐々に減っていき、1日2回以上歯をみがく人が年々増えています。
現在日本人の77%は1日2回以上歯をみがいているということになり、
お口の健康についてしっかり取り組む人が増えたことが、昔より歯が残っているという結果につながっているのかもしれません。
全体的な傾向として、日本人のお口の中は良くなっていると言えると思います。
しかし、個人のレベルで考えれば、皆それぞれ違ったリスクを抱えており、
皆が良くなっているなら自分の歯もきっと大丈夫だろうというのは、少し楽観的すぎるかもしれません。
さらに、海外ではもっと歯が残っている国がたくさんあります。
歯科先進国と言われる国々の知識や技術を取り入れることにより、日本人のお口の健康はもっともっと良くなるはずです。
お口は命の入り口です。
現状に満足せず、健康できれいな歯が、ずっと残るようにしたいですね。
厚生労働省 歯科疾患実態調査 結果の概要
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-17b.html